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『アルコール添加』と『柱焼酎』

千葉は土砂降りでした。
しかし、今日は終日東京都内でふ~らふら。
都内はそれほど降りませんでした。
千葉と東京、近いようでけっこう天気や気温が違います。


さてさて、予告しておりました『日本酒へのアルコール添加』の問題についてです。

『アルコール添加』とは、「醸造用アルコールと呼ばれる甲類焼酎を仕込み中に投入する」こと。

その目的としては大きく分けて以下の4つだと思います。

① モロミのアルコール度数をかさ上げし、それを加水して薄めることで製造量を増やす。

② 腐造の防止

③ もろみ中の香気成分、旨み成分を引き出す。

④ もろみのアルコール発酵を強制停止させる。



特に①は第二次世界大戦前後の米不足を補うために、国が三倍増醸酒の製法を開発し、昭和24年にはそれを制度化し、酒蔵に対して半強制的に三増酒生産を推し進めた国策に端を発しています。極端なアルコール添加、合成清酒の大増産のスタートです。

今では無茶苦茶な政策と思うでしょうが、当時の日本の経済状況の中では仕方がなかったか・・・

しかし、現在の日本はそんな時代ではないのですから、そのような発想での酒造りは止めてほしいし、続ければ消費者離れを加速させるだけです。
かさ増しが主目的の醸造用アルコール添加には、のんべえは反対です。(当たり前か・・・)


しかし、この三倍増醸酒の出現以前にも古く江戸時代から、日本酒の仕込みに焼酎を用いることは行われていました。
それは『柱焼酎』と呼ばれる、日本酒造りの一つの技法です。
当時は連続蒸留法はありませんでしたので、甲類焼酎ではなく、酒粕から造った粕取焼酎や米焼酎等の乙類焼酎を添加していました。
その目的は、当時の酒づくりで多発していた『火落ち』『腐造』を防止することでした。

焼酎を使うと腐造を防ぐだけでなく、酒自体の味や香りがしっかりとすることも知られていました。

モロミの中には多くのアミノ酸によって構成された香気成分や旨み成分が含まれています。
ところが、これらの成分はアルコールには溶けるが、水溶性ではないのです
したがって、普通にモロミを搾って酒粕とアルコールを分離しようとしても、日本酒のアルコール度数が低いために、それらの成分の多くは酒粕側に残ってしまいます。

しかし、そこに高濃度のアルコールを添加すると、香気成分や旨み成分はその高濃度アルコール中に溶け出すのだそうです。
高濃度アルコールが、モロミから成分を引きずり出してくれるともいえますね。
結果としてお酒の香りや旨みが増すことになるのです。

(ウイスキーを水割りにすると香りが増すのも同じ原理。度数が下がることで、アルコール中の香気成分が揮発するためにおこる現象です。)


ですから、三増酒のアルコール添加と柱焼酎とはその目的が全く違うのです。
現代では腐造はほとんどなくなりましたので、香気・旨み成分の引き出しがアルコール添加の主目的であるべきなのです。
特に吟醸酒では、その命ともいうべき香気成分抽出には重要なファクターです。
高濃度アルコール(=焼酎)をうまく利用して、酢酸イソアミル(バナナ・メロン香の元)やカプロン酸エチル(リンゴ香の元)などの大事な香気成分を効率よく抽出するのです。

さらに、大吟醸酒などではもろみが元気であっても、目標のアルコール度、日本酒度に達した場合には強制的に発酵を停止させて、狙った通りの酒質に仕上げるためにアルコールの添加することも酒造の技術として存在します。(ビールやワインの世界にも存在する技術だそうです。)

上記のような高濃度アルコールの働きを理解すれば、菊姫さんの吟醸酒が全量アルコール添加であることも、また各日本酒鑑評会に出品されるお酒の80~90%が純米ではないこともご理解いただけると思います。


私の主観ですが、同じ銘柄・同条件の『純米大吟醸』『大吟醸』を飲み比べると、『大吟醸』のほうが、より旨みが豊かで香りの広がりも大きいように感じたことがあります。


つまり、『アルコール添加=絶対悪』ではないと思うのです。
問題はその目的と添加量(比率)、さらに添加技術ではないかと思うのです。


では、獺祭の旭酒造さんは、どうしてアルコール添加をしないのでしょうか?
その辺の話は、また次回。


以上、のんべえのわずかな知識と独断でお話を展開しました。
おかしな点、間違った点がありましたらご指摘ください。
間違いは即修正させていただきます。
よろしくお願いいたします。



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by sakenihon | 2009-07-24 01:57 | 日本酒の作り方  

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