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新酒の目印 《杉玉》


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12月20日更新の記事の上の写真に対して、三宅島のmbabanomeさんから以下のコメントをいただいておりました。
    「私はシャッターの上のところにぶら下がっている物が気になりました~
     蜂の巣ってことは無いですよね^^」


それ以来、新年一発目のネタは『杉玉』にしようと決めておりました。

写真に写っている、軒先からぶら下がっている茶色い丸い物体は、『杉玉(すぎたま』とか

『酒林(さかばやし)』と呼ばれているものです。 蜂の巣ではありません。

酒蔵の目印であり看板代わりのトレードマークの役割をするものです。

杉の穂先を集めて造られています。

毎年、新酒の搾りが終わると酒蔵の軒先などに新しい杉玉をぶら下げます。

これによって『新酒ができましたよ~~』ということを知らせるわけです。

ぶら下げてすぐは下の写真のように蒼蒼とした色です。
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酒蔵にとっては杉玉を下げた日がその年の商いの始まりとなりますので、、酒蔵にとっての元日

のようなものともいえますね。  

角松のような縁起物としての意味合いが強かったのではないでしょうか。


その後、新酒として出荷される以外のお酒は涼しい酒蔵で貯蔵されて夏場を越え、

秋頃に熟成が進んで飲みごろになったころ、『ひやおろし』などと表記して出荷されます。

そのころには杉玉はすっかり茶色に変色し、『お酒がおいしくなったよ~~』と知らせてくれる

というわけです。
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江戸時代から続く洒落たプロモーションですね。


どうして酒蔵に杉の葉があるのか?という疑問があるとおもいます。

杉の木は酒蔵自体の建材のほか、酒樽や桶などの酒造りの道具のほとんどに使われて

いましたし、杉の葉は抗菌・殺菌効果はあるとのことで、道具を洗うためのブラシやほうき

として幅広く使われていました。

お酒を搾っている最中に麻の袋が破れた時には、破れた口から杉の葉がついた枝を

突っ込んで応急処置にも使っていたそうです。(これは石川県の久世酒造店の先代さん

から聴いたことです。)

このように杉と酒蔵は切っても切れない関係で、杉の葉も酒造りの間は必ず酒蔵に

あったと推測されます。

酒造りが一段落ついた時期に、蔵人が余った杉の葉を使って杉玉を造っていたのでしょう。

それは酒造りの緊張感を紛らわす気晴らしでもあったし、『今年も仕事したど~』という証の

意味もあったのではないかと空想しております。


ちょうど今は酒造りの最盛期。 搾りも始まっている頃ですね。

今年も全国で様々な美味しいお酒が続々と出来上がっているんでしょうね。

本当に楽しみです。

健康な飲酒生活を今年も続けられることを切に願い、杉玉の写真展をお届けしま~す。
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ご鑑賞ありがとうございました。





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by sakenihon | 2009-01-02 18:45 | 酒蔵めぐり  

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