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津軽考 脱線また脱線

お酒から離れてしまいますが、日本酒ブログの先輩の酒呑親爺さんから深いコメントをいただいてしまった勢いで、もう少しグタグタを続けさせていただきます。

そもそも、随分前に飲んだ『安東水軍』をいまさら取り上げたのは、最近読んだ本がきっかけでした。f0193752_21502819.jpg
『歴史人口学で見た日本』という本で、お酒とは無関係の本です。
(速水融著 文春新書)

速水融さんは元慶応大学教授で日本で歴史人口学という
学問を確立した人物のようです。

「歴史人口学」とは”人口”というミクロのデータを積み上げて、
その時代のマクロ的な傾向を推測するもので、よほど
興味がなければ、面白い本とはいえません。


しかし、最終章に面白い箇所があって、それが『安東水軍』というお酒を思い出させてくれました。
 (あくまでも私が面白いと思っただけですが・・・・)


その部分を、できるだけ簡潔に紹介させてください。

【江戸時代以前の日本の家族や人口には3つのパターンのある】

①東日本のパターン
早く結婚する(15歳~)が子供は少ない。
母親は4~5人の子供を産み終ると、あとはまた労働力となって働く。
その後は出産制限を行う。
親と子の年齢の差が少なく、一つの家に三世代~四世代が住む直系家族。

②中央日本のパターン
結婚年齢は比較的遅い(22~25歳)が子供をたくさん産む。
家族は2世代から多くて3世代が住む核家族か直系家族。
特に江戸時代以降には核家族化が進んだ。

③西南日本のパターン (西南日本=東シナ海沿岸)
結婚年齢は遅いが、結婚前に子供を産むことがある。
離婚も多く、離婚と次の結婚の間に出産することもある。
性行動は他の地域と違って、倫理的な観点からいえば自由。
家族の形態は傍系の家族まで一緒に住む合同家族の傾向がある。

【では、なぜこのような違いが生まれたのか?】

速水氏はこの疑問の説明として、それぞれの地域に住みついた人々が元来持っていた価値観や風習などに起因するのではないかと推論しています。
三つの地域の人々とは、
①東日本人――――アイヌ・縄文時代人
②中央日本人―――渡来人・弥生文化人
③南西日本人―――海洋人    
              の三つです。

それぞれに因果関係を論じていますが、東日本人だけに絞ってまとめると・・・

東北日本は稲作も盛んになってきていたが、元来アイヌの生業は狩猟・採集であった。
したがって、一人が生きてゆく必要面積が非常に大きくなるため、人口を増やさない必要があり、そのため出産制限を行い、母親の労働復帰が早い時期になされるような家族設定となった。
(縄文人の人口は四~五十万人の規模だったといわれる。)


つまり、縄文期から平安期の長きにわたって東日本=アイヌ文化ともいえたようです。
それで、河村瑞賢が出てくるずーっと以前から、北海道を起点として、敦賀~琵琶湖~京都の海の物流ルートが確立されていたことも納得できます。

大和朝廷に始まる京都の文化は、大陸から渡ってきた弥生人が造り上げたもののようです。
しかし、京料理の命ともいえる”昆布”が北海道から京都まで運ばれたのは、縄文人(=アイヌ人)の航海術なくしてはあり得なかったし、その流通力があったからこそ奈良期以降の文化(たとえば伊勢神宮の祭祀)が確立したともいえる、という気がしてきました。

現代の日本は世界でも類を見ないほどの単一民族国家といわれますし、私もそんな風に思っていましたが、決してそうではなかったようです。
日本も最低でも3つの民族の掛け合わせによって栄えているということ、現代でもその名残りは目を凝らすと随所の見えることに少し気が付き始めました。

いい年をして、今までこんなことに全く興味がなかった自分が恥ずかしいものです。
『酒』を通して日本を眺め始めたら、本当にいろいろなことを知ることになりました。
これから酒の味にもますます深みが出てきそうです。

できればもう一度青森にいって、鰺ヶ沢~深浦あたりをめぐってみたいと思います。
かつての流通と文化の要衝ですから、きっと面白いお話がたくさん聞けるのではないかと思います。

以上、本日はかなりの酩酊状態での更新です。
御勘弁ください。

酒呑親爺様、
お気づきの点はご遠慮なくご指摘、ご指導ください。
ただし、お手柔らかにお願いしますね。





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by sakenihon | 2009-04-07 01:39 | 日本の歴史  

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