酒田の酒 【上喜元】
ですから、船の行くところ、お米があり、お酒があります。
後に”北前船”と呼ばれる大型船輸送は明治30年頃まで繁栄を続け、莫大な利益を上げます。
そのためその寄港地では、いろいろな文化の華も咲いたようです。
また、寄港地には船乗り達の需要を満たすため、多くの酒蔵も出来ました。
船乗り達は大阪まで航海するわけですから、灘・伏見の酒の味も知っています。
金を持った、酒の味にウルサイ客である彼らの要求に応えるために、寄港地は銘醸地に
なっていったのではないかと想像を膨らませています。
西廻り航海のスタート地点酒田にもかつては多くの蔵があったようです。
現在でも以下のように、6軒の酒蔵が残っています。
(蔵名) (主要銘柄) (創業)
オードヴィ庄内 清泉川 明治8年
菊勇 菊勇 昭和48年(3蔵合併)
酒田酒造 上喜元 昭和21年(5蔵合併)
東北銘醸 初孫 明治26年
藤屋酒造 天盃富士 文政12年
麓井酒造 麓井 明治24年
現在の酒田市の酒蔵の中では、『上喜元』が圧倒的な人気銘柄ですね。
それ以外のお酒の東京での入手は、銀座に今年の4月にオープンしたアンテナショップ
『おいしい山形プラザ』が便利です。

ということで、今宵は『上喜元』で一献いただくことに。
上喜元を醸す酒田酒造は昭和21年に5つの酒蔵が合併してできた酒蔵ですが、
存続蔵である橋本酒造場の創業は弘化元年(1844)とのことです。

このお酒は長谷川酒店(グランスタ店)で購入。
長谷川酒店と酒蔵のタイアップのオリジナル商品だそうです。
瓶は真っ黒。ラベルがお米の形。
サイズは720mlオンリー(推測)。
今回購入は「純米」でしたが、「純米吟醸」もありました。
価格は1176円。(純米吟醸は1400円台だったかな?)
お米は雄山錦。
雄山錦は「ひだほまれ」と「秋田酒33号」の交配種で平成10年頃
から出回っている吟醸酒向きの新しい酒造好適米です。
今回購入の「純米」は精米歩合70%。
上喜元の70%が珍しく感じて購入。
それにしても長谷川酒店さん、頑張ってますね。
オシャレで面白くて低価格なお酒の開発意欲が見え見え。

開栓して、まず一杯。
正直なところ、酸味・渋み・苦味が強くてノーグッド!
お燗にしてもかなりきつくて、ぐい飲み一杯だけでご馳走さま。
でも、この渋み・苦味はお米の旨味から来ていると感じました。
ある意味、のんべえ好みのコクのある純米の証でもあります。
こうゆうお酒は1~2日寝かせるとコロッと変わるはず。
翌日再挑戦しますと案の定、前日の渋み・苦味はほとんど消えて
旨味・甘みがグッと前面に出てきていました。
微かですが吟香っぽい香りさえ出てきてくれました。
すっきりしたなかでも、お米の旨味がしっかり味わえる精米70%らしい、上質低価格の純米酒。
これがのんべえの結論でした。
盃がグイッと進んで、気が付けば1合ほどを残すばかり・・・・・
いけねえー お燗を試してね~や。
お燗は明日に持ち越しだあ。
ホントに日本酒は不思議です。
誠に微妙でデリケートなアルコールですねえ。
面白すぎてやめられませんぜ!
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by sakenihon | 2009-08-20 08:36 | 本日の一献