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北前船と日本酒 【富山 満寿泉】

北前船は佐渡を出港すると、次の目的地は能登半島となります。

しかし、今回は能登半島の手前の富山に寄港することにしましょう。

なぜなら富山の港には、 『満寿泉』の桝田酒造店があるから。
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明治26年創業の桝田酒造店の生い立ちは北前船と深い関係があります。

以下、桝田酒造店のHPからの転載です。
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かつて北前船(地元ではバイ船と呼ぶ)の交易で栄えた廻船問屋の町家や料亭のたたずまいに往時の繁栄が漂います。桝田酒造店はこの界隈のなかほどに蔵を構えています。

初代亀次郎はその当時、岩瀬の五大家と言われていた廻船問屋から妻を迎え、その北前船にのり、開拓の地 北海道旭川にて酒造業を興した。
旭川酒造史に「都松」の商標で最初に出てくるのは明治26年のことである。
年間1500石と明治年間としてはとても大きな規模まで成長するが、妻のフデが明治36年の寒波のあと「もう岩瀬に帰りましょう」と言い出し明治38年に現在地に戻った。
 岩瀬では岩泉という銘柄で始めたが、港の芸者衆にも飲んでもらう為、昭和の始め頃、今で言う別ブランド展開で苗字の桝田にちなんで「満寿泉」とまことにめでたい名をつけ販売した。
それが成功し現在は満寿泉が主力ブランドになる。
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のんべえはこの文章を読んで以来「北前船」が気になり始め、今に至ってます。

桝田酒造店のある東岩瀬はまさに船が接岸する岸壁にあります。

酒蔵から100mほどでこんな風景も見ることができます。
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上の写真のすぐ左側に並行して古い街並みが残っています。
現在その町並みは歴史保存地区となっています。
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     回船問屋 森家
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     銀行も町並みに溶け込んでいます。
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     こちらは鍼灸院でした・・・


【吟醸蔵と三盃杜氏】

こんな歴史ある『満寿泉』さんは昭和40年代初頭から吟醸酒造りに取り組み続け、

元祖”吟醸屋さん”として名高いお蔵さんです。

現在でも全石高1500石中70%を吟醸酒が占める酒蔵です。

この『満寿泉』を50年間にわたって醸し続けてこられたのが、三盃(さんばい)幸一杜氏です。

能登杜氏四天王の一人とも称せられる名人杜氏。

実父から満寿泉の杜氏を引き継ぎ、1958年からずっと満寿泉一筋。


普通、吟醸酒は蓋麹法という方法で麹造りを行いますが、三盃杜氏は”床麹法”で造ります。

一般には”床麹法”は普通酒などの麹を大量に造る場合に用いる方法。

吟醸酒には向かないといわれていますが、三盃杜氏はこれで大吟醸も造ります。

一見荒っぽいようですが、三盃杜氏は手先で麹の顔が見えるというのです。

経験が教科書を超えたということなのでしょうか。
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北前船と日本酒 【富山 満寿泉】_f0193752_20244387.jpgなぜ床麹で造るのかなどの詳細は「挑戦する酒蔵」(酒造環境研究会編)に詳しく紹介されています。

上記の写真も同書の1ページから拝借しております。 ごめんなさい。

(この本には「大七」「だるま正宗」「自然郷」「福光屋」なども詳細に紹介されてます。ご興味のある方はどうぞ。)



残念ながら、三盃杜氏は平成17年の造りまでで引退されました。

この50年間、お正月を自宅で迎えたことが一度もなかったそうです。

杜氏という仕事の大変さがうかがわれます。 お疲れさまでした。

平成18年・19年は後を託す堂目杜氏への引き継ぎはされていたようです。

平成20年の造りからは完全に堂目杜氏の造りとなっているようです。

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そこで、こんなお酒を入手しました。

三盃杜氏の造り最後の年となった平成17年の満寿泉。

『満寿泉 純米大吟醸 無ろ過生酒』

完全な低温貯蔵で4年間寝かせたお酒。



栓を開けるのが勿体ないようです。

気合いを入れていただきます。

その結果はまた後日。



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by sakenihon | 2009-08-29 22:30 | 日本の歴史  

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