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庄屋さんの酒蔵 『寒梅酒造』

宮城県大崎市の酒蔵、3件目は『寒梅酒造さん。

醸すお酒は『宮寒梅』。  約400石のお蔵さんです。

蔵元の岩崎家は江戸時代から戦前までは、広大な土地を持つ庄屋さん。

戦後の農地解放でほとんどの土地を失いましたが、大正5年から始めた酒造業は

現在5代目の岩崎隆聡社長杜氏を中心に、自社田のお米での酒造りが続きます。

田んぼの真ん中の酒蔵はのんべえも初めてです。
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生粋の”農家酒蔵”ということで、今回の酒蔵巡りで最も楽しみな酒蔵さんでした。

事前にお願いしてはいましたが、岩崎社長自らが大変丁寧に案内していただきました。

まずは、酒蔵の中を見せていただきました。

洗米・浸漬用金ザルの他に竹ザルが一つ。
金ザルはお米がザルの目に挟まりやすく、
竹ザルのほうが使いやすいこともあるのだそうで、いまでも現役です。
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こちらの木桶は浸漬用のタライ。 吟醸系の少量仕込みの場合に使うそうです。
樹脂製の大きなものより使いやすくて、捨てがたいとか。 (手入れは大変なのでしょう)
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仕込みタンク。 当然いまはまだ空。
貯蔵はすべて低温瓶貯蔵に切り替えたため、貯蔵タンクはないそうです。
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10畳ほどの事務所は蔵人の休憩室の面影が。 真ん中にはストーブ。 黒板にも・・・
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蔵人の寝泊まりスペースだった事務所の二階への急階段。
蔵人達の生活がしのばれます。
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宮寒梅さんも上槽後に瓶詰・火入れをして、すべて冷蔵庫・コンテナに貯蔵しています。

私が訪れた時、コンテナの温度計は-10度を指していました。

搾る前までと同じくらいに搾った後の管理も大事にしている酒蔵です。


そして、なんといってもこのお蔵の特徴はお米。 

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「田んぼも見てみますか?」とのお誘いに、「是非に!」とお願いして外へ出ました。

酒蔵の前がすぐに岩崎家の田んぼです。

近づくとたくさんのアマガエルがぴょんぴょんと逃げていきます。

生き物が育つ生命感を感じます。

現在栽培している酒米は 「美山錦」 「ひより」 「愛国」の三種。

すべて減農薬栽培です。

そのほかに食用として「ササニシキ」も栽培しています。

自家用の他は知り合いの東京のお寿司屋さんが欲しがるから送ってるんだそうです。 

美味しいお米なんですね。


【美山錦】
先代は米造りの名人で、宮城県で初めて美山錦の栽培に成功したそうです。

長野県と宮城県ではそれほど気温の違いがないのでは?と思ったのですが、

東北太平洋側独特の”やませ”の有無が違うのだそうです。

【ひより】
2002年に品種登録されたばかりの宮城県の酒米です。

「山田錦」「ササシグレ」の交配種で、宮城県岩沼市の平塚さんという個人農家が

独自に開発したもので、平塚さんが許可した農家でしか栽培できないのだそうです。

宮城県内の数蔵(新澤酒造 阿部勘酒造など)でも「ひより」を使ったお酒がありますが、

自社栽培は寒梅酒造さんだけです。

千粒重、心白は山田錦並みで高精白にも耐えられるそうです。

山田錦は生育が遅いため、宮城県では未熟に終わるリスクが高く栽培が難しいそうです。

そんな山田錦の弱点を改良したのが「ひより」のようです。

【愛国】
明治時代の古い品種で、栽培が難しく一度消滅していた酒米でした。

現在の社長が苦労して復活させた品種です。 まさに寒梅酒造さんだけの酒米です。

背丈が山田錦並みに高く倒れやすい品種です。
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穂先に赤紫色の針状の毛のようなものが長く伸びているのは古い品種の証?
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そのために田んぼ全体が紫色っぽく見えて、他の品種との違いが一目瞭然。
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まったく未知の酒米。

是非、呑んでみたかったのですが、すべて売り切れで蔵元にも在庫はゼロ。

それどころか、今年の造りまですべて酒販店からの予約でいっぱいなんだそうです。

田んぼの広さの制約があって増産は無理。 収穫量が不安定で委託生産も無理。

正に「幻のお米」「幻の酒」です。

(今回、ひよりの純米大吟醸を購入しました。別途レポートします。)


【後継者】
平成19年に大学を卒業したばかりの娘さんが夫婦で蔵へ戻り、酒造りへ参加されました。

大変若く、楽しみな6代目夫婦の誕生です。f0193752_1141419.jpg

従来は『岩崎』の銘柄もあったそうですが、家族会議で『宮寒梅』

一本で進むことに決定。 

ラベルデザインも若夫婦が考えて、横書きのものへ変更中。

数年後には愛媛の『石鎚』石鎚酒造さん、福島県会津若松の

『会津中条・ゆり』鶴の江酒造さんのように、

『家族で醸す注目の酒蔵』となる予感があります。

『ゆり』のパターンでゆくと、こちらでは『真奈』ができるかも!?(笑)

ホントに楽しみ。 要注目のお蔵さんです。


★ 岩崎社長との雑談の中で偶然わかったのですが、『豊盃』三浦酒造さんの次男

三浦文仁さんは寒梅酒造さんで3年間修業されたんだそうです。

そういえば、三浦酒造さんも『家族で醸す注目の酒蔵』でしたね。

またまたビックリの新情報でした。



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by sakenihon | 2009-09-20 01:45 | 酒蔵めぐり  

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