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天吹酒造 花酵母しぼりたて

天吹酒造の製造ぶちょ~さんからお土産をいただいてしまいました。

天吹酒造 花酵母しぼりたて_f0193752_1404524.jpg
本当に搾ったばかりの今年の新酒です。

花酵母で仕込んだ 『限定 初しぼり』 です。 

わ~い!  大喜び! 

おっと このお酒、普通酒です。

醸造用アルコールはもちろん、糖類まで添加されています。

ぶちょ~さんいわく 「こっちの人は甘口なんです。」

三倍醸造酒の糖類添加とは意味合いが違います。

糖類を添加しなくても立派に成り立つお酒なんですが、

地元の飲み手はそれ以上の”甘さ”を要求するんですね。


酒類総合研究所の資料にこんなものがあります。
天吹酒造 花酵母しぼりたて_f0193752_14104864.jpg
佐賀県は全国でも珍しい甘口好みの県なんですね。

純米酒至上主義の方からは叱られそうですが、私が生まれる前から日本酒を生活の一部

として親しんでこられた佐賀の飲み手は純米酒であろうがなかろうが、糖類が入っていようが

なかろうが、美味しく感じる酒は甘口の酒ということなんですね。 

それこそ”地酒” それでいいと思います。


では、どうして佐賀がこんなに甘口嗜好になったのか?

いろいろな背景があると思うのですが、のんべえは”炭鉱”起源説です。

有明海沿いの三井三池炭鉱、伊万里湾付近にも炭鉱がありました。

少し北には麻生元首相の地元、筑豊もあります。

かつてはこのエリアで全国の60%の石炭が掘り出されていたと聞きます。

そこには真っ暗な坑道のなかで働く、ものすごい数の炭鉱労働者が存在したのでしょう。

重労働を終えた後の彼らの骨休めが日本酒であったことは容易に想像できます。

疲れた体がほしがるのはスッキリした辛口ではなく、濃厚な甘口だったと思います。

そうやって、この地方の味覚嗜好が形成されたのではないか・・・・


この搾りたてをいただきながら、そんなことを考えていました。

もちろん、いただいた4合ビンはあっという間に空っぽです。

この初しぼりは普通酒ながらも雑味とは無縁。

本当にスッキリとした甘さ、花酵母の優しく爽やかな香り。

冷やして飲むと、本生のフレッシュ感が引き立ちます。

ブラインドテイストでは吟醸と間違われるかも?


歴史の中で形作られた味覚嗜好と最先端のバイオ技術で生まれた花酵母の良さを

ピッタリとマッチさせた最後の力は、やっぱり人間なんですね。



地方にはすごい普通酒が隠れているようです。 

それらは安すぎて流通に乗らず、首都圏やネット販売でもほとんど取り上げられていないようです。

これから、普通酒にも目を向けていきたいと思いますねえ。


またまた、長くなってしまいました。  病気ですね。


このお酒、佐賀県内だけの限定販売。
価格は1800mlは2,016円、720mlが1,020円。
ご興味のある方は直接、天吹酒造さんへ。
電話 0942-89-2001




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by sakenihon | 2009-12-03 14:47 | 酒蔵めぐり  

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