『一献』のはなし
今日は『一献』という言葉についてお話をさせていただきたいと思います。
最近はあまり使われなくなりましたが、年配の方々は「是非私と一献おつきあいください。」なんて使い方をされることがありますね。
天の恵みであるお米から作られるお酒は人間が神様と何らかの契りを結んだり、神様とのいろいろな交信(祈祷)の際に使われる一つの道具という意味もあったようです。
神社にお参りすると本殿の両側に日本酒の大きな樽が積んでありますよね。
穀物の豊穣を願い、また感謝して神様にお酒を奉納していたんですね。
お酒と神事とはヤマタノオロチの神代の昔から切っても切れない関係のものだったんですね。
そして一献という言葉もそのような神事にまつわる言葉だったようです。
一献とは「盃一杯のお酒と肴のワンセット」のことを表していたそうです。
そして、そのセットが(肴はそれぞれ違うものが添えられて)三度饗される、『三献』が正式なスタイルだったそうです。
そして、その盃を毎回三くちで飲み干すのが作法だったとか。
現在もその名残として残っているのが結婚式での『三三九度の盃』なんだそうです。
昔は結婚式の席上でもちゃんと三献の儀式があったのですが、現在では簡略化され盃一杯を三回で飲み干すだけとなってしまったようです。
まあ、その代りに披露宴だの二次会だので飲みまくり騒ぎまくりの新郎新婦もおられるようで、神も仏もない平和な日本です。
この故事に習い、このブログでの「本日の一献」でも極力お酒と肴のセットでご紹介するように頑張りたいとおもいます。
いつまでつづくやら・・・・・・・・
なお、上記の小ネタはのんべえが読んだ複数の本などの情報から類推した部分を含んでおります。もし間違った部分がございましたらご指摘くださいませ。
by sakenihon | 2008-10-10 02:27 | 本日の一献