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日本酒 酒造り体験講座 第一回報告

遅くなってしまいましたが、19日に茨城の木内酒造さんで参加してきました、2008年日本酒造り体験講座のご報告です。
今回が搾りまでの全4回の第1回目となり、洗米から蒸し、そして米麹造りまでの工程を体験してきました。
いくら本を読んでもわからない疑問が1日のちょっとした体験でも随分理解できました。
やはり『百聞は一見にしかず』ですねえ。

写真と共に一連の流れを少し細かくご報告しますので、お付き合いください。

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まずはスタートにあたって、木内酒造の木内社長さんからの挨拶。
やはり事故米などの問題に腐心されておられるようです。ブランド価値の構築が益々大切だとのごあいさつでした。


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さあ、いよいよここで作業開始です。


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ふと、真上を見上げると巨大な梁。
その上に墨で書かれた文字で平成四年九月の新蔵であることがわかります。
大工さんと施主(蔵元)の名前も。
これからここでいったい何年の歴史が刻まれるのでしょうか・・・・・



さあ、いよいよスタートです。
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今回の酒造りの計画がホワイトボードに書かれています。
精米歩合50%の大吟醸酒を造る計画です。
ポイントはお米に計画通りの量の水分を吸収させること。
多くても、少なくても、ムラがあっても駄目なんですね。


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10月5日にみんなで稲刈りした『ひたち錦』が精米歩合50%まで磨かれていました。
水晶のように輝いています。
このままで噛んだら、甘いかな? いえいえ、バリバリ噛んで、いくら噛んでも甘みはでませんでしたよ。


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まずはそのお米を小さなザルに分けて準備します。


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それぞれのザルのお米が均等量になるよう正確に計量します。


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次にザルごとにお米を洗います。
精米後にお米の表面にわずかに残った米ぬかを洗い流すための『洗米』工程です。
洗米時間も秒単位で測ります。
今日は30秒でした。


f0193752_0224137.jpg続いて『浸漬』の工程。本格的にお米に水を吸わせる工程です。
今日の水温は18℃。かなり暖かい状況です。
水温が暖かいほどお米が水を吸うスピードは速くなります。
したがって作業があわただしくなり、大量に処理すると間に合わなくなります。
その為もあって、酒造りは水温の低い冬に行うのだそうです。


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規定の時間を測りながら、水に漬けた順にザルを水から引き揚げて、水を切ります。


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『浸漬』の後、水が切れた状態のお米です。
『洗米』前に比べて水晶色が真っ白に変わり、指で押さえると表面が簡単に潰れるくらいにやわらかくなりました。


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すべてのお米の水が切れたら、いよいよお米を蒸すための甑(こしき)に移します。
甑は巨大な円形の「せいろ」です。


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隅々まで丁寧に表面を平らにならします。
お米のいい香りがします。
炊飯と違ってお米が対流しませんので、隅に隙間があると蒸気が漏れて蒸しむらができるそうです。


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準備が終わると、幾重にも布(化学繊維)で蓋をして、ロープでしっかり固定します。


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そして、『蒸し』です。
甑の下からボイラーで作った蒸気が吹き込まれます。
それによってかぶせられた布の蓋は丸く膨れ上がってきました。
約1時間で蒸しあがり。


f0193752_0531736.jpgお米を蒸している間に精米機を見せてもらいました。
日本酒用の『竪型精米機』です。
上から下へお米が落下する途中でプロペラのようなものが回転してお米が削られます。
落ちたお米はまた上部へ運ばれ、また落とされるという繰り返しが数十時間も続けられます。
お米の温度が上がったり、割れたりしないようにじっくり時間をかける徹夜の作業です。


f0193752_161423.jpg木内酒造さんではワイン造りにも挑戦中。そのためのブドウ畑や水戸市内で経営されている飲食店「な嘉屋」で使われる無農薬野菜が酒蔵の裏で栽培されています。

f0193752_1144260.jpg酒造りで出た酒粕を肥料に利用しているそうです。
そのため、周辺の農薬を使った畑から害虫が集まってきて駆除が大変だそうです。
やはり、「無農薬」って容易にできるものではないのですね。
それらも、蔵びとさん達が酒造りと並行して行っています。


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お米が蒸しあがりました。
昔は蔵人が甑の中に入ってスコップで掘り出していましたが、今は文明の利器(リフト)で釣り上げて、お米を適温に冷ますための放冷機へ移動します。


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写真の手前からお米を投入すると、コンベアに乗って少量づつ奥の方の送られます。
その間に送風によってお米が冷まされる仕組みです。
小規模なお蔵では現在でも昔と変わらず、床にお米を広げて冷ましているところもあります。


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放冷機から出てきたお米は、適温に冷めていることを温度計で確認しながら、それ以上冷めないように小分けにされて布に包まれます。


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放冷機の中のお米は一粒も残さないよう最後まで集められます。
お米を無駄にするともったいないことはもちろんですが、計画量が狂ってしまい思ったようなお酒ができなくなります。


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蒸しあがり、適度に冷めた状態のお米です。
炊いたお米とは全く違い、水分が少なくパラパラ・コロコロとした感触です。
食べると硬めのお餅のようでモチモチしています。
噛んでもなかなか口の中で溶けずガム状になります。
強烈な甘みがドンドン湧いてきます。


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いよいよ米麹をつくる工程です。
室温30度以上、湿度50%以上に設定された麹室(こうじむろ)と呼ばれる部屋での作業です。
当然、手は十分に殺菌洗浄、靴は脱いで入ります。
まずは大きな台(床)にお米を5cmほどの高さに均等に広げ、もう一度冷ましながらお米の温度を測ります。


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お米の温度が適温になったところで、麹菌を万遍なく振りかけてゆきます。
日本酒造りに使われるのは「黄麹菌」というものです。
お米一粒一粒にくまなく菌が付くように、お米をひっくり返したり混ぜたりしながら何度も菌をま撒きます。


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麹菌を撒き終るとお米を床の中央に集めて蒲鉾状に盛り上げます。
できるだけ温度ムラができないようにするためです。


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そのお米に幾重にも幾重にも布をかぶせ、包みこみます。


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これで本日の工程が終了です。
明日まで丸1日麹菌がお米に繁殖するのを待ちます。
自然に50度ぐらいにまでの高温になるそうです。


翌日以降は温度管理がし易いように小型の箱に小分けにし、お米への麹菌の破精込み(はぜこみ)を促進する仕事となります。「破精込み」とは、麹菌がお米に繁殖してお米の内部まで菌糸を伸ばす状態のことをいいます。その過程が終わると米麹の完成で、酒母造り(もと造り)、仕込みへと続いてゆきます。
それは杜氏さんの職人技の世界になりますので、お任せすることになります。

次回の体験講座はこの1週間後の26日。
もろみの発酵具合を確認し、「添え」という仕込みの中の工程を体験します。

私は初めての参加でしたが、徐々に参加者のみなさんとも仲良くなってきました。
次回また会えるのが楽しみになってきました。

本当に『百聞は一見にしかず』です。

杜氏さん、蔵びとさん 皆様本当にお世話になりました。感謝です。
また、次回もよろしくお願いします。

by sakenihon | 2008-10-24 02:40 | 日本酒の作り方  

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