さっきTVでウエンツが・・・・ 金沢 やちや酒造へ
さすがに石川県でも最も歴史があるお蔵だけのことはあって、いろいろお宝が出ていました。
やちや酒造さんへは7月に訪問しました。
先ほどのTV番組に出ていた、ご高齢の先代第13代蔵元さんから蔵の中を案内してもらいました。
いつか書こうと思っていたお蔵さんでしたので、この機会に書いちゃいます。
やちや酒造さんのお酒の銘柄は『加賀鶴』です。
天正11年(1583年)加賀100万石の藩祖、前田利家公が尾張から金沢へ移ったときにお供してきた大名家お抱えの蔵元です。
寛永5年(1628年)に『谷内屋』の屋号と『加賀鶴』の銘柄を殿様から拝受し、その年を創業の年としています。
420年間酒造りを続けてきたのですから、間違いなく全国屈指の歴史ある酒蔵であり企業ですね。
400年以上も同じ場所で、営々と続く産業って世界的にも類を見ないのでは?
一種の世界遺産だと思います。日本酒の酒蔵は。
酒蔵は金沢駅から北東へ3kmほどのところにあり、蔵の前の道が『旧北国街道』です。
金沢から一つ目の宿場「津幡」への途中の街道に面し、多くの旅人が行きかっていたのでしょう。
寒い寒い旅の道すがら身体を芯から温めるのは400年前も、やっぱり暖かい日本酒です。
蔵の玄関を入ってすぐの土間に面して座敷があります。
座敷といってもほとんど板張りです。
下の写真の右上隅に畳のようなものが見えると思いますが、そこの一畳だけが畳で蔵元の座る場所だったそうです。
御覧のように大きな自在鍵が二つぶら下がる囲炉裏が切ってあります。
なぜ、2つも自在鍵があったのでしょうか?
向って左の火は普通に煮炊きをするための囲炉裏。
そして、右側はお酒の燗付け専用の囲炉裏なんだそうです。
旅人がいつ身体を温めに立ち寄ってもいいように、お酒専用の火がいつも用意されていたというわけですね。そしてこの板張りに座って一服していったのでしょうね。
ちなみに、左側のカギは釣り針型をしていて七福神の『恵比寿さん』(漁業・商売繁盛の神)を現わし、右のカギは根本の部分が丸く膨らんでいて『大黒さん』(豊作の神様)が被っている帽子を現わしているとのことでした。
このお蔵のものについて、一つ一つを聴いていったら何日もかかりそうでした。
残念ながら写真を撮るのを忘れてしまいましたが、この酒蔵の中に古くて大変立派な土蔵がありました。 家屋と土蔵は国の有形文化財に指定されています。
この土蔵には驚きました。屋内の土蔵です。
壁の厚さが約40cm。ですから土蔵の大きな扉も厚さ40cmあります。
この扉、一つで重さが2トンだそうです。
壁も扉も土でできているのは当然ですが、土の壁に2トンの土の扉がどうやってぶら下がっているのか? それも数百年間びくともしないで。
確かに大きな鉄の蝶つがいで接合しているのですが、なぜ土にそんな強度があるのでしょう?
私は目の前で現物を見ても信じられませんでしたよ。
現代ではだれも作れない技術だそうです。
いにしえの日本人の技術力に畏敬の念を感じます。
(写真がないのがホントに残念です。)
金沢に行かれることがありましたら、兼六園だけでなく『やちや酒造』へも立ち寄ってみてください。
お酒を召し上がらない方でも、きっと生きた歴史を肌で感じることができると思います。
あっ!それと昭和61年のNHK銀河テレビ小説「かなかな虫は、天の蟲」の舞台となったそうで、酒蔵でロケが行われた酒蔵としても金沢の人の記憶に残る場所だそうです。
(このことは特に13代目のご自慢のようで、当時の写真アルバムなど見せていただきました。)
最後になりましたが、『加賀鶴』はてらいのない、旨味たっぷりの辛口、石川のお酒です。
東京にも取り扱っている酒販店さんは多いと思いますが、是非現地で召し上がっていただきたいお酒です。
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by sakenihon | 2008-11-01 00:48 | 酒蔵めぐり