『ファミリーマートの日本酒』に思うこと
コンビニにはお世話になってますが、不覚にもまったく知りませんでした。
さっそく店頭調査!
『粋』のネーミングで4商品が販売されています。
「日本盛」「白鶴」「月桂冠」「宝酒造」の大手4社がそれぞれ1商品づつを造っているようです。
各商品の内容は以下のようなものです。
《名称》 《精米歩合》 《店頭価格》 《キャッチフレーズ》 《メーカー》
大吟醸 50% 360円 「すっきりした味わい」 日本盛
特別純米酒 70% 358円 「豊かなコク 山田錦」 白鶴
純米酒 70% 350円 「華やかな香り」 月桂冠
清酒 70% 298円 「キレのある超辛口」 松竹梅(宝酒造)
一応購入して飲んでみましたが、香味の良し悪しはここでは触れません。
あえて言えば、燗酒は対象外、冷やして飲むように「すっきり系」で仕上がっています。
価格も含めて製造元の4社それぞれ苦労されてるな、と感じました。
コンビニという超高マージン業態への投入ですし、量的にも大きなものではないでしょうから、
大手の蔵にとっては「おいしい商売」とはいえなかったと推測します。
ただし、従来の日本酒に不足しているもののヒントをいろいろと示している商品だと思いました。
これはファミリーマートのバイヤーさんが中心となって企画された商品だと思います。
マーケティングのプロらしく、日本酒業界の常識にとらわれない工夫を随所に感じます。
私もサラリーマン時代に商談の経験がありますが、ファミリーマートさんは無印良品の良品計画と兄弟関係でもあり、バイヤーさんはユーザー目線に立った感性で商品企画を行ってます。
この商品のターゲットユーザーはもちろんコンビニの来店者に絞られており、日本酒にはなじみが薄い層(=新規ユーザー)ということになると思います。
特に一人暮らしの女性を意識しているように思います。
私が感じた商品企画上の工夫点を列記してみると・・・・
【デザイン】
缶ビールや缶酎ハイを見慣れたユーザーに自然に受け入れられるような色づかいとデザイン。
ネーミングは直感的に日本を感じるような漢字一文字【粋】
【容量】
200mlと一回で飲みきりし易い量。
【容器】
重くなく廃棄しやすいアルミ缶を利用。
一度に飲み干す必要がないスクリューキャップ。
【キャッチフレーズ】
一般のユーザーに商品のイメージが伝わるように、専門用語を使わない平易な表現。
【特別純米酒】
精米歩合は70%に抑えて、「山田錦100%使用」で「特別純米酒」とうたってます。
一般のユーザーには精米歩合60%と70%の違いよりも、「山田錦」という原材料の違いの方がわかりやすいとの考え?
【品質維持の視点】
コンビ二という冷蔵設備が整った売り場が保障されている利点を生かしながら、窒素充填も行って、賞味期限を「約1年」と比較的長く設定している。
この商品がすべて正解とは全く思いませんし、ヒットしているかどうかもわかりません。
しかし、数百年も営々と続く日本酒の酒造りをこれからも続けるためには、香味の追及だけでなく、変わりゆく消費者のいろいろな事情をもっと調査・考慮する余地は多いなあと感じた一品でございました。
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by sakenihon | 2008-11-03 12:58 | 日本酒が抱える問題