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本日の一献 《11月26日》  満寿泉 全麹

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6月に金沢・富山・山形・福島と酒蔵巡りをしてきました。

その時訪れた酒蔵で買い集めた日本酒は4合瓶で20本以上

あったのですが、全部飲んでしまい、冷蔵庫に残っていた

最後の一本が『満寿泉 全麹』(ますいずみ ぜんこうじ)でした。


それを遂に開栓してしまいました!

残していたのは、価格が結構高い(3150円)ということもあった

のですが、それ以上にどんなお酒なのか想像できなくて、

どうやって飲むか迷っていたためです。


『満寿泉』は富山市の『舛田酒造』さんのお酒で日本酒ファンには人気の銘柄です。

舛田酒造には三盃幸一(さんばいこういち)さんという吟醸酒造りの名人杜氏(能登杜氏)

がおられることでも有名でしたが、三盃杜氏も80歳を越え平成19年度で完全引退されました。
(杜氏(とうじ)は日本酒造りにおける製造責任者)

通常は『富山の酒』と言えば『立山』に代表されるキリッとしまった辛口です。

それに対して『満寿泉』は米の旨味が生きた濃醇辛口という感じの酒だと思います。

しかし、それも普通の『満寿泉』のことです。

普通の『満寿泉』なら都内でも買えます。

せっかく富山まで行ったのだからということで買ったのが、今回の『全麹』

普通は蒸米を掛米として投入しますが、『全麹』はそこにすべて麹を使ったというお酒です。

どうゆう飲み方が一番美味しいのか?考えている内に4ヵ月が過ぎてしまいました。

製造年月が09年12月で三盃杜氏最後の年度のお酒ということも開栓をためらう理由でした。

でも、いつまでも取っておいても仕方がない!   開栓!!
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開けたからには美味しく頂きましょう!

ということで、造ったのが『さすの昆布〆』。 富山の名物の一つです。
「さす」とは「かじきまぐろ」のこと。
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富山は全国でも1.2を争う昆布消費県です。

これは江戸時代から北前船によって北海道の昆布が大量に入ってきていたためです。

そのため昆布をつかった料理が非常に多いところです。

たとえば、『おでん』。昆布出汁が利いた大根の上に「とろろ昆布」が乗っているという具合です。

『さすの昆布〆』はヒラメよりも濃厚でねっとりとした食感です。

ミネラル、アミノ酸が豊富で辛口の富山の酒に大変良く合います。

何度か造ってみましたが、今回は「マカジキ」を使いました。結果、大成功!

「黒皮カジキ」でもよかったですが「メカジキ」はNGでした。(脂が多すぎて)
(カジキは廉価です。写真の量でスーパーで300円程度。昆布は上野アメ横で購入)
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昆布も細かく刻んで添えました。

この昆布がまた美味しいんです。子供も大好き!大量にあってもすぐになくなるほど。

美味しい上にミネラルたっぷり。美容と健康にもばっちりの肴です。


さて、『全麹』は! 

写真でもわかるように色はまさにゴールド。

口に含んだ感じは梅酒のようなトロッと感。

味は甘口。ドイツのリースリングワインを思い浮かべるような上品な甘さ。

べたべたはしていません。

香りは「干しブドウ」や「ナッツ」の香りに近いかな?ほんのわずかに「老香」(ひねか)のような

香りもありますが嫌なものではなくお酒の深みを感じる香りとなっています。

結論はおいしい!

ウマい!ではなく、「美味しい」という感じ。上品なお酒。

まるでワインのようですが、その味と香りの奥深さは日本酒そのものだと思いました。

できれば、みんなに飲んでほしい!こんな日本酒もあるってことを知ってほしい!ってお酒。

ご希望の方、まだ少し残ってます。 飲みに来ます?(笑)

今宵はいつもに増して、お酒も肴も極上でした。 ほんとーに幸せ!

感謝! 感謝!
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今回『全麹』を購入したのは満寿泉さんの酒蔵に隣接した酒蔵のような酒屋さん『田尻本店』。
満寿泉の品揃えは間違いなく全国一です。全銘柄はもちろん、古いものは平成6年頃からの
毎年のお酒が最高の貯蔵環境下で保管されている酒屋さんでした。
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満寿泉さんを訪ねたことがきっかけで『北前船』というものに興味が湧きました。
(満寿泉さんは元々、廻船問屋だったんです。)
『北前船』は江戸時代のお米、お金、流通などを知るための重要なキーワードになりそうです。
また、改めて『北前船』と満寿泉さんがある『富山市東岩瀬』については
レポートしたいと思ってます。
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by sakenihon | 2008-11-27 22:11 | 本日の一献  

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