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2008年 10月 16日 ( 1 )

 

腐敗と発酵

「腐敗と発酵」について少し書いてみます。

すべてのアルコールは『発酵』から生まれるといっていいでしょう。
アルコールは酵母菌(イースト)をはじめとする微生物の働きによって糖分から生成されます。
アルコールのほかパン、チーズ、味噌、醤油などなど酵母菌による発酵の力を借りなければ造れない食材は多種多様です。
アルコールの中には料理酒や味醂も含まれますので、発酵なくして日本食は成立しないともいえるでしょう。

不思議なことに食品は発酵によってナマの状態よりも遥かに保存が可能です。
さらに保存している間に旨味の元となる各種アミノ酸の働きでさらに美味しくなります。
「本日の一献」で登場する酒粕漬けも、生の魚介類を酒粕の漬けるだけで、その魚介類たちは腐敗することなく日持ちし旨味を蓄えます。
本当に不思議です。

では「腐敗」ってなんでしょうね。
腐敗もやっぱり微生物の働きによって起こるはずです。
「発酵」と「腐敗」は同じように微生物の働きで起こる現象ですが、結果は正反対ですね。
微生物のチョットした違いによって「発酵」するか「腐敗」するか紙一重で分かれます。
美味しくなるか、毒になるかは大きな違いですよね。
やっぱり不思議です。

最近発生した『事故米』の問題。
カビが生えたお米が問題になってます。
しかし、日本酒を造る時に使用する『麹菌』はカビ菌の一種です。
もともと日本酒はカビの力を借りているのですから、カビが生えたお米は問題はないようにも思えますが、カビの種類の違いで毒になるか薬になるかが分かれてしまうのです。
チーズだって白カビや青カビを利用して独特な風味をつけるんですよね。
いやーホントに不思議です。(チョット くどいかな?)

お酒を造るということは、よくない微生物は寄り付かないようにコントロールしながら、いい仕事をする微生物だけを集めて、精一杯いい仕事をしてもらうように手助けする過程だと思います。
特に日本酒はアルコールの中でも多様な微生物やカビの力を利用して造るものです。
いにしえの先達はすべて経験のなかで微生物の操り方を習得してきたのですから、本当にすごいことですね。

知れば知るほど、また疑問が湧いてしまう世界に足を踏み入れようとしています。

by sakenihon | 2008-10-16 02:24 | 日本酒の作り方