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2008年 11月 10日 ( 1 )

 

『水』にこだわる酒蔵 《二本松市 大七酒造》

10月30日のブログ『水』についてを書かせていただきました。
お米は運んでこれますが、お水はそうはいきません。

酒造りには直接お酒になるお水だけでなく、酒づくりの各工程で膨大な水を消費します。
水道水には鉄分、塩素、カルキなど、お酒づくりに邪魔な成分が含まれますし、井戸水でも水質によってお酒の出来も変わります。
酒蔵にとって「水」は生命線ともいえる材料なんです。

いい天然水に恵まれていた蔵元が近所の工事などの影響で水脈が変わったり途切れて、突然水が湧かなくなったということも現実として発生しています。

どちらの蔵元さんもお水は大切にされていますが、その一例として福島県二本松市『大七酒造』さんをご紹介したいと思います。
日本酒に少しご興味がある方は大七酒造の名前はご存じとおもいます。
今年開催された洞爺湖サミット正式晩餐会の乾杯のお酒に使われたと聞けば、”ただものではない”とおわかりいただけると思います。

一般に大七酒造さんの特徴として知られているのは、主に以下の2点ですが、ホームページに大変詳しく紹介されていますので、ここでは簡単な説明にとどめます。

① 生もとづくり 
日本酒造りの「もと」を造る段階で「もと」を雑菌から守ってくれる役割の『乳酸菌』が必要になります。生もとづくりは酒蔵内に生息する乳酸菌が自然に降りてきて繁殖するのを待って酒造りを行う方法です。
これが江戸時代以来の製法なのですが、技術が進んだ現代では工業的に作られた乳酸菌を投入するだけの『速醸もと』という方法が圧倒的主流となっています。
大七酒造のほぼすべての製品は、手間と時間とコストがかかる『生もと造り』で製造され『きもとの大七』として知られています。
(*「もと」は酉へんに元という特殊な漢字を使います。)

② 超扁平精米
お米を精米するとき、一般的な精米方法ではお米は球形に削られます。
しかし、もともとお米はタテ・ヨコ・ハバがそれぞれ違う扁平なものです。
したがって理想的にはお米の形に沿って削った方が効率よく心白部分を得ることができます。
この考えにしたがって極力扁平に精米する技術が『超扁平精米』です。
これは、精米機の良し悪しではなく機械を使いこなす人間の技術によるものです。

他にも「瓶詰ライン」「和釜」「4つの麹室」など、大七酒造にはほ~っ!へ~っ!がたくさんありますので、HPを是非ご覧ください。

【本題はここから】
またまた前置きが長くなりました。
面倒なかたはここから読んでください。
今年の6月の酒蔵めぐり旅行で大七酒造さんへもお邪魔することができました。
たった一人で説明役の方からお話を聞きながら2時間近くも蔵内を見学させていただきました。
その時に聞いた「水」に関する興味深いお話を紹介します。

酒蔵はつい最近新築されて、酒蔵とは到底思えないような外観の建物でした。
一般に酒蔵というと木造のイメージですが、こちらは地元産の花崗岩(みかげ石)を使った石造りの蔵なのです。
日本の木造の酒蔵の寿命が100年ぐらいであるのに対して、ヨーロッパのワイン蔵は400年以上の寿命があることに感心され、日本酒蔵もこうあるべきとの太田英晴当主の想いから石造りの蔵にされたそうです。

当然ながら、建築物の重量は大変重いものになり、基礎工事も頑丈にやらねばなりません。
ところが、調査すると大七酒造が使っている井戸水の水脈は大変浅い(10mもないような深さ)ことがわかりました。
そこに、大がかりな基礎を打ち込むと水脈はどうなってしまうかわかりません。
そこで、建物が大きな地下水槽の上に浮いているような特殊な構造にしたのだそうです。
「酒蔵の下に地下水のプールがあるようなもの」との説明でしたが、詳細は理解できませんでした。
私は『そこまでやるのか~~~』とただただ驚くばかりでした。
どんなに頑丈で立派な蔵を建てても、水が出なけりゃ酒蔵にはならないということが少しでもご理解いただければと思い紹介しました。


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前置きが長い割に本題はあっけなかった・・・・
大七酒造さんの玄関エントリーにある酒造りを現わしたステンドグラスの前で撮影した、のんべえの馬鹿づらです。

さらに見学後、大七の最高級銘柄の数々を遠慮もなく試飲させていただく、のんべえのアホづら。
それぞれの銘柄の酒質に合わせたグラスが用意されています。
今までの酒蔵巡りで最もゴージャスなひとときでした。
感謝 感謝 感謝でした。 後日ちゃんと礼状も送りました。
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【感謝を込めて二本松の紹介もさせていただきます】

街自体は決して大きくはありませんが、多くの連綿とした歴史の息吹きをそこここに感じられる、大変落ち着いた街でした。
戊辰戦争の舞台の一つともなった二本松藩霞ヶ城の城下町で二本松少年隊の戦死悲話が残されています。
また「二本松の菊人形」や伝統的な和箪笥などの「高級木工家具」なども有名です。
今でも二本松市内には大七酒造のほか「奥の松酒造」「檜物屋酒造店」「人気酒造」などががんばっておられます。
また、高村光太郎の妻で「智恵子抄」のモデルの智恵子の実家も大七酒造の近くで酒蔵を営んでいたということで、いまでも生家は保存され記念館も隣接しています。

酒蔵めぐりと歴史散策に大変お薦めの街です。
機会がありましたら是非足をのばしてみてください。




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by sakenihon | 2008-11-10 00:22 | 酒蔵めぐり