千葉県印旛郡栄町の丹波の黒豆『どらまめ』

先日天ぷらとなって紹介した、『どらまめ』の追加説明です。

明日、木内酒造さんの酒造り講座に行きますが、終了後の懇親会で一人一品持ち寄りなので、私はどらまめを持ってゆくことにしました。
それで、今日購入してきたんで、その時の写真です。
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成田市のとなりに位置する印旛郡栄町の名産品です。
どらまめの「どら」はドラゴンの「どら」。栄町には龍角寺という奈良時代の大変古いお寺跡があり、竜神伝説が残っているため、町おこしとして「どら」をアピールしているようです。
印旛沼周辺に龍腹寺、龍尾寺というお寺もあったそうで、天から落ちた龍の頭、お腹、しっぽをそれぞれ祀ったとか。

もとは兵庫県の有名な丹波黒を持ってきて栽培したものです。
毎年、この時期に2~3週間だけの販売ですので、即席のテントで販売所ができます。
ここで、とれたての枝豆をおばさんたちが、枝から外しながら袋詰めして販売してます。
のどかでしょう。
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大変大粒で、実がふっくらしており、おまめの味が濃い枝豆です。
もし、この時期に成田近辺にお越しの際は是非一度お試しあれ!
わかりやすい販売所は千葉県立『房総のむら』内の「ドラムの里」という産直品販売所で販売してます。
一袋(300g)で350円程度です。
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# by sakenihon | 2008-10-19 01:58 | その他いろいろ  

日本酒の造り方 番外編『お米のはなし』

先日の「日本酒の造り方 その一」の中でそのステップの①として「お米を栽培します」と書きました。
お酒に関する本やサイトなどの造り方ガイドを見ると、「精米」からスタートしていることが多々ありますが、日本酒造りはお米の栽培から始まっています。
ですから、造り方の説明の前にお米のはなしを書かせてください。

お米は『酵母菌』にとっての大切な食料となります。
麹菌がお米のデンプンから作ってくれた糖分を酵母菌が食べて、アルコールを排出してくれますから、どんなお米を食べさせるかでお酒の味や香りは大きく変わってきます。

日本酒を造るためのお米のことを「酒米(さかまい)」といいます。
酒米の中でも特に酒造りに適した品種として農林水産省が指定したものを『酒造好適米』と呼んでいます。
私たちが御飯として食べるお米は「一般米」とか「食用米」といいます。

≪すぐれた酒米の特徴≫
 ①酒米は一般米に比べて粒が1.2倍ほど大きい。
 ②透明なお米の粒の中心にある『心白(しんぱく)』と呼ばれる白い部分が多い。
 ③米粒の外側は精米時に割れにくいように硬く、中の心白部分は麹菌が繁殖しやすいように柔らかい『外硬内軟(がいこうないなん)』といわれる性質をもつ。
いわゆる「外はカリっと、中はふっくら。」というやつです。
 ④酒米は粒が大きいゆえにイネの丈も一般米より10~20cmほど高いものが多く、風雨で倒れやすい。だから倒れにくいものがベター。

酒造好適米の作付面積は全体の1%程しかなく、特に人気が高い品種は慢性的に供給不足の状態です。価格も一般米より高くて10kg当たりで3500円から7000円ほどもするそうです。
各地でその風土に合ったさまざまな酒造好適米が栽培されています。

ワインの場合は醸造家自身がブドウ畑を所有し、自分で育てたブドウを使ってワインを造るのが原則ですが、日本酒はお米の産地とお酒の醸造場所は一致してません。
特に吟醸酒を造るに適したお米は限られるため、遠方からでも仕入れて使うことが一般的な状況です。

≪特に作付面積が多い酒造好適米の代表品種≫
【山田錦】 
 兵庫県で大正時代に開発され、兵庫から福岡にかけた西日本中心に栽培される、『酒米の王者』高精米でも割れにくい物性面でも優れ、雑味のないキリッとしまった酒質となるため大吟醸酒などに多く使われます。日本酒鑑評会というコンテストに出品されるお酒の大半は山田錦で造られています。
【五百万石】
 東北地方から中国地方の広い範囲で栽培され、作付面積ナンバーワン。
 バランスのいい酒質となるため吟醸酒に多く使われます。
【美山錦】
 長野県で開発され、寒冷地でも生育しやすいため東北地方に多い品種。
 お米の香りがよく出て旨味のあるやさしい酒質になり、東北地方のお酒の特性にもマッチします。
【雄町】
  岡山・広島で栽培される歴史のある品種で山田錦の父本でもあります。
  山田錦と同じくしまりのある男性的な酒質になります。

 そのほか、広島の八反錦、佐賀の西海134号、山形の出羽燦々 亀の尾、京都の祝、高知の風鳴子、富山の雄山錦、などなど品種改良・交配が進み各地各県で特徴ある酒造好適米が開発されています。
 そのほかにあえてコシヒカリなどの食用米を使った日本酒もあります。
酒造好適米が使われるのは吟醸酒などの高価格のお酒がほとんどで、それらには使ったお米の銘柄も裏ラベルに記載されていることが多いです。
普通酒など廉価なお酒には、比較的酒造りに適した一般米が使われています。

≪山田錦の中の山田錦≫
さて、数ある酒米の中で『王者』とも『横綱』とも評される山田錦。
山田錦の中でももっとも評価が高いのが、明石市から六甲山地を越えた内陸部の丘陵地帯、兵庫県三木市一帯で収穫される山田錦です。
その中でも産地集落でさらに特 A B Cなどのランクがあります。以下のリストはその集落ごとのランクと契約先の蔵元です。
正に山田錦の中の山田錦のリストといえるのではないでしょうか。

〈クリックで拡大します。〉
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(表中の美嚢吉川町は現在は三木市吉川町となっています。)

平成10年のデータですので、現在は多少の変化はあるかもしれませんが、長い歴史とお付き合いによって兵庫県の大手酒造メーカーが契約先となっており、新規では容易には手に入らないお米ということがわかります。

≪有機・無農薬米にこだわる蔵元≫
お米の品種だけではなく、その作り方にこだわったお米を使った蔵元もあります。
契約農家と二人三脚で無農薬・減農薬の有機栽培でコメ作りを行っている蔵もあります。

私のお気に入り、千葉の『寺田本家』さんはカブトエビを使った無農薬米栽培を行っています。
また福島県矢吹町の『大木代吉商店』さんは完全無農薬栽培で抜群の純米酒『自然郷』を造っています。
このほかにも最近の食の安全問題も関係してなのか、同様の試みを行っている蔵元が増えてきているようです。

≪自分でお米を作る蔵元≫
珍しいところでは、蔵元自身が独自の品種の酒米を栽培して酒造りを行っている蔵元があります。
石川県は能登半島の付け根、河北郡津幡町の久世酒造店さんです。
1786年の創業以来ずっと自前での長生米というお米を作っているお蔵です。
お酒の銘柄は『長生舞』です。長生米で造った長生舞というわけです。
こちらのお蔵さんは6月に訪れて大変お世話になり、いろいろなことを教えていただきました。
改めてゆっくりご紹介したい蔵元さんです。

≪最後に一言≫
確かに山田錦の吟醸酒は美味しいし、安定した酒質が期待できるため安心して飲めます。
ただし、だからと言って全国の酒蔵がこぞって兵庫県産の山田錦でお酒を造ったのでは、みんな同じようなお酒になってしまします。
実際、鑑評会で入賞したお酒はみな同じように美味しいですが、バラエティーに富んだ各地の味は味わえません。
ワインの場合は、ボルドーはボルドーだし、ブルゴーニュはブルゴーニュ、トスカーナはトスカーナとそれぞれの個性を大事にしています。
日本酒も同じように、それぞれの地元のお米、水、酵母、風土を生かした魅力が出たお酒でなければ楽しさ半減ではないでしょうか?
このブログでは、できるだけそのような個性ある日本酒を紹介してゆきたいと思っています。
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# by sakenihon | 2008-10-18 23:53 | 日本酒の作り方  

日本酒の造り方 その一

昨日に続いて日本酒の造り方のお話です。

っとその前に、日本酒を造ることを「醸す」といいます。「かもす」です。
でも、一般には使う言葉ではありませんので、私は「造る」でいきます。
あくまでわかりやすい表現でをモットーに! 

昨日も書いたとおり、お酒を造るのは麹菌、酵母菌、乳酸菌、硝酸還元菌、などの多くの微生物たちです。
映画に例えると
     蔵元さん== プロデューサー
     杜氏さん== 監督
     蔵人さん== 助監督
     ヒーロー==  酵母菌
     ヒロイン==  麹カビ菌
     助演  ==  乳酸菌などなど
     スタッフ==  お米 水 などなど  といった感じになるかと思います。
     
映画と同じで、お酒造りには「こうすれば必ずこうなる」というマニュアルはありません。
一回一回が真剣勝負。厳密にいうと同じ銘柄でも造るタンクごとに味も香りも違うということ、蔵ごとに杜氏さんごとに少しづつ製法が違うことをご理解ください。

日本酒には原料の表示義務が法的に定められており、「米」「米麹」「醸造用アルコール」などと表示されていますが、「酵母菌」「麹菌」などはなぜか表示義務がありません。
肝心の主役が載ってないのは、しっくりこないのは私だけ??かな

まずは、日本酒の造り方を大まかなステップだけ列記してみます。

① お酒用のお米を栽培します。または購入します。 
② 精米     お米の周辺部分を削り落します。(磨ぐ、磨くともいいます。)
③ 洗米     ご飯を炊く前と同じく糠を洗い流します。
④ 浸漬     お米を水に浸して水分を吸収させます。
⑤ 蒸米     酒米は「炊く」ではなく「蒸す」です。もち米をせいろで蒸す感覚です。
⑥ 放冷     蒸しあがったお米を適度に冷まします。
⑦ 米麹造り  お米に麹菌をくまなくパラパラ振りかけ、お米にカビを生やします。
⑧ 酒母づくり 米麹に水と蒸米を加えて「酒母」「もと」というものを造ります。
⑨ 仕込み  「酒母」にさらに水・蒸米・米麹を加えて全体の量を増やしてゆきます。
⑩ もろみ 大きなタンクの中でお酒がポコポコと自然に発酵するまで25~30日間待ちます。
⑪ しぼり(上槽)   お酒と酒粕を分離するために袋に小分けして絞ります。
⑫ 濾過    お酒の中に残った麹などの「おり」を濾過します。
⑬ 火入れ   酵母の活性を止めるためにお酒を60~65℃まで温めます。  
⑭ 貯蔵・熟成 味をまろやかに落ち着けるための貯蔵タンクで貯蔵します。
⑮ 瓶詰め   香りや味を見ながらいいものから順に瓶詰めします。
⑯ 火入れ   流通での雑菌類の繁殖を抑えるため、再度温めます。
⑰ 出荷 

ざっとでこんな流れになります。
19日には茨城の木内酒造さんで酒造り体験があります。
今回は上記の②から⑦までを体験してきますので、その時の写真を交えながら、少しづつ詳しく書いてゆきたいと思います。
長くなると思いますが、できるだけわかり易くしますので、お付き合いお願いいたします。
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# by sakenihon | 2008-10-17 00:35 | 日本酒の作り方  

腐敗と発酵

「腐敗と発酵」について少し書いてみます。

すべてのアルコールは『発酵』から生まれるといっていいでしょう。
アルコールは酵母菌(イースト)をはじめとする微生物の働きによって糖分から生成されます。
アルコールのほかパン、チーズ、味噌、醤油などなど酵母菌による発酵の力を借りなければ造れない食材は多種多様です。
アルコールの中には料理酒や味醂も含まれますので、発酵なくして日本食は成立しないともいえるでしょう。

不思議なことに食品は発酵によってナマの状態よりも遥かに保存が可能です。
さらに保存している間に旨味の元となる各種アミノ酸の働きでさらに美味しくなります。
「本日の一献」で登場する酒粕漬けも、生の魚介類を酒粕の漬けるだけで、その魚介類たちは腐敗することなく日持ちし旨味を蓄えます。
本当に不思議です。

では「腐敗」ってなんでしょうね。
腐敗もやっぱり微生物の働きによって起こるはずです。
「発酵」と「腐敗」は同じように微生物の働きで起こる現象ですが、結果は正反対ですね。
微生物のチョットした違いによって「発酵」するか「腐敗」するか紙一重で分かれます。
美味しくなるか、毒になるかは大きな違いですよね。
やっぱり不思議です。

最近発生した『事故米』の問題。
カビが生えたお米が問題になってます。
しかし、日本酒を造る時に使用する『麹菌』はカビ菌の一種です。
もともと日本酒はカビの力を借りているのですから、カビが生えたお米は問題はないようにも思えますが、カビの種類の違いで毒になるか薬になるかが分かれてしまうのです。
チーズだって白カビや青カビを利用して独特な風味をつけるんですよね。
いやーホントに不思議です。(チョット くどいかな?)

お酒を造るということは、よくない微生物は寄り付かないようにコントロールしながら、いい仕事をする微生物だけを集めて、精一杯いい仕事をしてもらうように手助けする過程だと思います。
特に日本酒はアルコールの中でも多様な微生物やカビの力を利用して造るものです。
いにしえの先達はすべて経験のなかで微生物の操り方を習得してきたのですから、本当にすごいことですね。

知れば知るほど、また疑問が湧いてしまう世界に足を踏み入れようとしています。
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# by sakenihon | 2008-10-16 02:24 | 日本酒の作り方  

本日の一献 《10月14日》

昨日はご報告の通りでホッピー一本で二日酔いという前代未聞のテイタラク。
その分、今日は食材がいろいろありまして、一献ではなく二献となりました。

まずは、御徒町の吉池で買ってきて大吟醸の酒粕に放り込んでおいた『ふぐ』ちゃんです。
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もともとが一夜干しの上に、結果的に丸三日も漬けてしまって、かなり塩辛くなってないか心配でしたが、きれいに粕を洗い流してからオーブントースターで炙りました。


すると、思ったほど塩辛くなくていい味になってました。
ただの一夜干しに比べて、ずっと味の深みが増しますし、水分も抜けてぷりぷりとした食感も増していました。



次の一品はしばらく前に購入していていたホタテのヒモ。
やはり吉池で購入したものですが、ヒモだけのとてつもない量で250円ぐらいだったんで、きれいに洗ってから小分けにして冷凍してました。
それを味噌を加えた田舎風の酒粕につけ込んだ上でフライパンで軽く焼いてみました。
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こちらもコリコリとした食感で、噛めば噛むほど貝の旨味が出てきます。
味噌の風味が強く濃厚な味わいの肴になっておりました。



さらにおまけの一品。
私が住んでいる千葉県の限定エリアの名産品。
『どらまめ』というネーミングの枝豆。
丹波の黒豆からの交配種らしく、すごーく大粒で、ホクホクしていて濃厚な味わいの枝豆です。
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毎年、10月中旬の2週間ほどの大変短い間で地元限定で販売されます。
農家のおばちゃん達が道端の掘っ立て小屋で袋詰めしながら販売してます。
普通は夏の味覚の枝豆ですが、これはまさに秋の風物詩です。


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今日は奥様がこれを天ぷらにしてくれました。
枝豆の天ぷらなんて、粒が大きいからこそできるものですよね。
美味しいので、この写真を撮った時には既に子供たちの餌食となって、四分の三は食べられてしまい、わずかしか残ってないさみしい状態です。


さてさて、これらの肴にたいしてのお酒ですが、先日の稲刈りに行った時の蔵元で購入したお酒。
木内酒造さんの純米酒。
ラベルは純米酒となってますが、五百万石を53%まで磨いたもので、さらに吟造りの表記もありますので、間違いなしの純米吟醸です。
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購入した時に蔵の方に意地悪く聞いてみました。
「なんでこれは吟醸の表記をしないんですか?」って。
答えは多少苦しそうに、
「他にもすでに純米吟醸があるんで・・・・・」
確かに、山田錦を43%まで磨いたものを純米吟醸で商品化されてますから、二つも同じネーミングにするとお客様が混乱するということで、五百万石のほうはただの純米酒表記になったようです。
よく見るとどこのお蔵でもこういうことはよくあります。
価格は山田錦43%のほうが2300円ほどに対し、五百万石の53%は1300円程度。
これはお得!っと即購入してきたものです。

酒質としてはまさに吟醸系の香り高くすっきりした口当たりのお酒でした。
グラスに鼻を近づけた時の香りは、リンゴやナシのような香りにお花のような香りも加わり、華やかな甘い香りです。
口に含んだ時の舌先にはしっかりした酸の刺激があって辛口の部類に入ることを教えてくれます。
あまり後を引くことはなくすっきりとしたキレも感じるお酒です。
コストパフォーマンスはかなり高いと思いました。

どらまめ天ぷらとの相性は抜群です。
大変リッチな感覚になれる取り合わせです。
天ぷらに少しお塩をつけると、お酒の香味とマッチして口になかで化学融合を起こしました。

ふぐもまあまあです。ちょっと味が濃い目かなとも思いますが 悪くはありません。
欲を言えばきりっとしまってうまみが強い、石川や新潟のお酒のほうがより良かったかもしれません。

ただし、ホタテのヒモはその濃厚さ故にこのお酒とは合いませんでした。(想像はしてましたが)
そこで、まだ少し残ってた香取90の一升瓶をチビリと合わせてみましたら、やはり濃厚系の魚にはこちらのほうが合いましたね。
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左が木内の純米。右が香取90です。
木内の純米もわずかですが黄味がかった色があります。
香取90のほうは無ろ過ですので、さらに濃い黄みがあるのが写真でわかりますでしょうか?


本日も美味しいお酒と肴に感謝、感謝     合掌!
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# by sakenihon | 2008-10-15 02:11 | 本日の一献