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『水』にこだわる酒蔵 《二本松市 大七酒造》

10月30日のブログ『水』についてを書かせていただきました。
お米は運んでこれますが、お水はそうはいきません。

酒造りには直接お酒になるお水だけでなく、酒づくりの各工程で膨大な水を消費します。
水道水には鉄分、塩素、カルキなど、お酒づくりに邪魔な成分が含まれますし、井戸水でも水質によってお酒の出来も変わります。
酒蔵にとって「水」は生命線ともいえる材料なんです。

いい天然水に恵まれていた蔵元が近所の工事などの影響で水脈が変わったり途切れて、突然水が湧かなくなったということも現実として発生しています。

どちらの蔵元さんもお水は大切にされていますが、その一例として福島県二本松市『大七酒造』さんをご紹介したいと思います。
日本酒に少しご興味がある方は大七酒造の名前はご存じとおもいます。
今年開催された洞爺湖サミット正式晩餐会の乾杯のお酒に使われたと聞けば、”ただものではない”とおわかりいただけると思います。

一般に大七酒造さんの特徴として知られているのは、主に以下の2点ですが、ホームページに大変詳しく紹介されていますので、ここでは簡単な説明にとどめます。

① 生もとづくり 
日本酒造りの「もと」を造る段階で「もと」を雑菌から守ってくれる役割の『乳酸菌』が必要になります。生もとづくりは酒蔵内に生息する乳酸菌が自然に降りてきて繁殖するのを待って酒造りを行う方法です。
これが江戸時代以来の製法なのですが、技術が進んだ現代では工業的に作られた乳酸菌を投入するだけの『速醸もと』という方法が圧倒的主流となっています。
大七酒造のほぼすべての製品は、手間と時間とコストがかかる『生もと造り』で製造され『きもとの大七』として知られています。
(*「もと」は酉へんに元という特殊な漢字を使います。)

② 超扁平精米
お米を精米するとき、一般的な精米方法ではお米は球形に削られます。
しかし、もともとお米はタテ・ヨコ・ハバがそれぞれ違う扁平なものです。
したがって理想的にはお米の形に沿って削った方が効率よく心白部分を得ることができます。
この考えにしたがって極力扁平に精米する技術が『超扁平精米』です。
これは、精米機の良し悪しではなく機械を使いこなす人間の技術によるものです。

他にも「瓶詰ライン」「和釜」「4つの麹室」など、大七酒造にはほ~っ!へ~っ!がたくさんありますので、HPを是非ご覧ください。

【本題はここから】
またまた前置きが長くなりました。
面倒なかたはここから読んでください。
今年の6月の酒蔵めぐり旅行で大七酒造さんへもお邪魔することができました。
たった一人で説明役の方からお話を聞きながら2時間近くも蔵内を見学させていただきました。
その時に聞いた「水」に関する興味深いお話を紹介します。

酒蔵はつい最近新築されて、酒蔵とは到底思えないような外観の建物でした。
一般に酒蔵というと木造のイメージですが、こちらは地元産の花崗岩(みかげ石)を使った石造りの蔵なのです。
日本の木造の酒蔵の寿命が100年ぐらいであるのに対して、ヨーロッパのワイン蔵は400年以上の寿命があることに感心され、日本酒蔵もこうあるべきとの太田英晴当主の想いから石造りの蔵にされたそうです。

当然ながら、建築物の重量は大変重いものになり、基礎工事も頑丈にやらねばなりません。
ところが、調査すると大七酒造が使っている井戸水の水脈は大変浅い(10mもないような深さ)ことがわかりました。
そこに、大がかりな基礎を打ち込むと水脈はどうなってしまうかわかりません。
そこで、建物が大きな地下水槽の上に浮いているような特殊な構造にしたのだそうです。
「酒蔵の下に地下水のプールがあるようなもの」との説明でしたが、詳細は理解できませんでした。
私は『そこまでやるのか~~~』とただただ驚くばかりでした。
どんなに頑丈で立派な蔵を建てても、水が出なけりゃ酒蔵にはならないということが少しでもご理解いただければと思い紹介しました。


『水』にこだわる酒蔵 《二本松市 大七酒造》_f0193752_20134769.jpg
前置きが長い割に本題はあっけなかった・・・・
大七酒造さんの玄関エントリーにある酒造りを現わしたステンドグラスの前で撮影した、のんべえの馬鹿づらです。

さらに見学後、大七の最高級銘柄の数々を遠慮もなく試飲させていただく、のんべえのアホづら。
それぞれの銘柄の酒質に合わせたグラスが用意されています。
今までの酒蔵巡りで最もゴージャスなひとときでした。
感謝 感謝 感謝でした。 後日ちゃんと礼状も送りました。
『水』にこだわる酒蔵 《二本松市 大七酒造》_f0193752_23131959.jpg



【感謝を込めて二本松の紹介もさせていただきます】

街自体は決して大きくはありませんが、多くの連綿とした歴史の息吹きをそこここに感じられる、大変落ち着いた街でした。
戊辰戦争の舞台の一つともなった二本松藩霞ヶ城の城下町で二本松少年隊の戦死悲話が残されています。
また「二本松の菊人形」や伝統的な和箪笥などの「高級木工家具」なども有名です。
今でも二本松市内には大七酒造のほか「奥の松酒造」「檜物屋酒造店」「人気酒造」などががんばっておられます。
また、高村光太郎の妻で「智恵子抄」のモデルの智恵子の実家も大七酒造の近くで酒蔵を営んでいたということで、いまでも生家は保存され記念館も隣接しています。

酒蔵めぐりと歴史散策に大変お薦めの街です。
機会がありましたら是非足をのばしてみてください。




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by sakenihon | 2008-11-10 00:22 | 酒蔵めぐり  

たぶん日本で一番小さな酒蔵 『御所泉』

昨夜、書いた『やちや酒造』さんから徒歩15分のところに、もう一軒酒蔵があります。
有限会社武内酒造店さん。お酒は『御所泉』です。
こちらへも『やちや酒造』さんと同じ日にお邪魔してきました。
たぶん日本で一番小さな酒蔵 『御所泉』_f0193752_11271119.jpg


私の推測ですが、全国最小規模のお蔵さんの一つだと思います。
武内酒造さんの石高はなんと100石です。
日本酒の生産量を表す時は『石高(こくだか)』という言葉をつかいます。
1石は一升瓶(1.8リットル)100本分です。
100石ということは1年間のお酒の生産量が一升瓶で1万本ということになります。

普通、酒蔵として成り立つには400石以上の規模が必要と言われています。
原材料となるお米の購入費に加えて、不動産、設備の維持、杜氏さんや蔵びとさんのお給料などの固定費を賄うためには、その程度の規模が必要となるのは推測できます。

『御所泉』が現在の規模でなんとか成り立っている秘密は販売方法にあるようです。
問屋さんや酒屋さんを通さず、蔵近隣の約200軒の消費者へ直接販売することによって、流通コストをほぼゼロに抑えていることが、特徴だとおもいます。

200軒で年間一升瓶1万本の消費するわけですので、平均1軒あたり50本、毎月4升飲んでくれるお客さんが200人いるということになりますね。すごいヘビーユーザーさんです!
一度に6本、12本と箱買いすることも珍しくないそうです。
昔からの近隣の愛飲家に支えられたお酒といますね。
蔵元が最終消費者宅まで直接届ける究極の直販ですが、昔はこれが普通の姿だったんですね。
東京向けの味ではなく、昔からの石川の酒の味が残っているとも言えますね。
たぶん日本で一番小さな酒蔵 『御所泉』_f0193752_12463335.jpg
最近の純米酒傾向に全く背を向け、すべて醸造用アルコール添加原酒のアルコール度数は20%とかなり特徴のある酒造りです。
蔵元の武内さんの軸足にブレはなく、『これしかない!』という姿勢でやっておられます。

こうゆうお蔵が残ってることは嬉しいものですが、経営は楽ではないようで副業として酒蔵の隣にコンビニエンスストアを経営されています。
蔵元の奥さまが店長をされ、家族の総力でお酒造りを続けておられるお蔵です。
なんとかこれからも酒造りを続けていただきたいものです。

蔵元のHPがなくなってしまいました。
酒販店(石川県・宮崎酒販店)さんのHPに詳細がありましたのでリンクします。



松井秀喜が通った金沢星稜高校がお蔵の目の前です。
写真には大学しか映ってませんが、高校もすぐ横です。
松井の下宿もこの近く金沢市御所町だったと聞いています。
たぶん日本で一番小さな酒蔵 『御所泉』_f0193752_129321.jpg




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by sakenihon | 2008-11-01 12:54 | 酒蔵めぐり  

さっきTVでウエンツが・・・・ 金沢 やちや酒造へ

さきほどテレビを見ていましたら、ウエンツ瑛士が出演している「お宝さがしの旅」的な番組に金沢市の『やちや酒造』さんが出ていました。
さすがに石川県でも最も歴史があるお蔵だけのことはあって、いろいろお宝が出ていました。

やちや酒造さんへは7月に訪問しました。
先ほどのTV番組に出ていた、ご高齢の先代第13代蔵元さんから蔵の中を案内してもらいました。
いつか書こうと思っていたお蔵さんでしたので、この機会に書いちゃいます。
さっきTVでウエンツが・・・・ 金沢 やちや酒造へ_f0193752_23113168.jpg


やちや酒造さんのお酒の銘柄は『加賀鶴』です。
天正11年(1583年)加賀100万石の藩祖、前田利家公が尾張から金沢へ移ったときにお供してきた大名家お抱えの蔵元です。
寛永5年(1628年)に『谷内屋』の屋号と『加賀鶴』の銘柄を殿様から拝受し、その年を創業の年としています。
420年間酒造りを続けてきたのですから、間違いなく全国屈指の歴史ある酒蔵であり企業ですね。
400年以上も同じ場所で、営々と続く産業って世界的にも類を見ないのでは?
一種の世界遺産だと思います。日本酒の酒蔵は。

酒蔵は金沢駅から北東へ3kmほどのところにあり、蔵の前の道が『旧北国街道』です。
金沢から一つ目の宿場「津幡」への途中の街道に面し、多くの旅人が行きかっていたのでしょう。
寒い寒い旅の道すがら身体を芯から温めるのは400年前も、やっぱり暖かい日本酒です。

蔵の玄関を入ってすぐの土間に面して座敷があります。
座敷といってもほとんど板張りです。
下の写真の右上隅に畳のようなものが見えると思いますが、そこの一畳だけが畳で蔵元の座る場所だったそうです。
さっきTVでウエンツが・・・・ 金沢 やちや酒造へ_f0193752_23353324.jpg


御覧のように大きな自在鍵が二つぶら下がる囲炉裏が切ってあります。
なぜ、2つも自在鍵があったのでしょうか?
向って左の火は普通に煮炊きをするための囲炉裏。
そして、右側はお酒の燗付け専用の囲炉裏なんだそうです。
旅人がいつ身体を温めに立ち寄ってもいいように、お酒専用の火がいつも用意されていたというわけですね。そしてこの板張りに座って一服していったのでしょうね。
さっきTVでウエンツが・・・・ 金沢 やちや酒造へ_f0193752_23515676.jpg
ちなみに、左側のカギは釣り針型をしていて七福神の『恵比寿さん』(漁業・商売繁盛の神)を現わし、右のカギは根本の部分が丸く膨らんでいて『大黒さん』(豊作の神様)が被っている帽子を現わしているとのことでした。

このお蔵のものについて、一つ一つを聴いていったら何日もかかりそうでした。


残念ながら写真を撮るのを忘れてしまいましたが、この酒蔵の中に古くて大変立派な土蔵がありました。 家屋と土蔵は国の有形文化財に指定されています。
この土蔵には驚きました。屋内の土蔵です。
壁の厚さが約40cm。ですから土蔵の大きな扉も厚さ40cmあります。
この扉、一つで重さが2トンだそうです。
壁も扉も土でできているのは当然ですが、土の壁に2トンの土の扉がどうやってぶら下がっているのか? それも数百年間びくともしないで。
確かに大きな鉄の蝶つがいで接合しているのですが、なぜ土にそんな強度があるのでしょう?
私は目の前で現物を見ても信じられませんでしたよ。
現代ではだれも作れない技術だそうです。
いにしえの日本人の技術力に畏敬の念を感じます。
(写真がないのがホントに残念です。)
さっきTVでウエンツが・・・・ 金沢 やちや酒造へ_f0193752_130499.jpg
金沢に行かれることがありましたら、兼六園だけでなく『やちや酒造』へも立ち寄ってみてください。
お酒を召し上がらない方でも、きっと生きた歴史を肌で感じることができると思います。

あっ!それと昭和61年のNHK銀河テレビ小説「かなかな虫は、天の蟲」の舞台となったそうで、酒蔵でロケが行われた酒蔵としても金沢の人の記憶に残る場所だそうです。
(このことは特に13代目のご自慢のようで、当時の写真アルバムなど見せていただきました。)

最後になりましたが、『加賀鶴』はてらいのない、旨味たっぷりの辛口、石川のお酒です。
東京にも取り扱っている酒販店さんは多いと思いますが、是非現地で召し上がっていただきたいお酒です。




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by sakenihon | 2008-11-01 00:48 | 酒蔵めぐり  

酒造り講座のオマケ。餅つき

木内酒造さんの酒造り講座はいつもお楽しみがついてきます。

今回はちょっと早い「餅つき」がオマケです。

酒造り講座のオマケ。餅つき_f0193752_1952213.jpg
酒造り講座のオマケ。餅つき_f0193752_19553240.jpg





なんともち米は酒米と一緒に甑で蒸しました。
さすが酒蔵!!


まずは杵でもち米を丁寧にすりつぶしてからつきます。
それにしても大きな臼です。
酒造り講座のオマケ。餅つき_f0193752_20173377.jpg
餅をついてるのは二人の外人さん。
酒造り講座は国際色も豊かです。


お餅をついている間に大根おろしを準備。
量が多いから大変です。
酒造り講座のオマケ。餅つき_f0193752_20201232.jpg
お餅は大根おろし、きなこ、あんこ、お雑煮とフルコースで楽しく頂きました。
少し早いお正月。


酒造り講座のオマケ。餅つき_f0193752_20242488.jpg
いつもはここで当然のように
「ちょっと一杯」が入るところですが、
今日はお茶だけ・・・


酒造り講座のオマケ。餅つき_f0193752_2195859.jpg
というのも、今日は日本酒につての講義があるからでした。
講師は木内酒造技術顧問の林先生。
難しい話をとても楽しく話してくれます。
結論は「お酒は適量に尽きる」ということ。
やっぱりね。


酒造り講座のオマケ。餅つき_f0193752_21142230.jpg
講義は座学だけではありません。
日本酒のアルコール度酸度アミノ酸度日本酒度の測定の実技までありました。
レベル高いですようねー
毎年続けてるから、参加者のレベルが上がって、ここまでやるようになったんでしょうかね。


酒造り講座のオマケ。餅つき_f0193752_21194766.jpg
これは日本酒度の測定。
甘口だと比重が大きいのでシリンダーの中の浮状の測定器は浮きます。辛口だと沈みます。
その時の値を見て「日本酒度」を測るんだ~なるほどねーって、初めてのメンバーは感心しきりです。
私も興奮しましたよ。ホント!


今回の酒造り講座には都内から参加の若いグループもいます。
私のように一人でぶらりと参加した者もいます。
小学校で英語を教えている外人さんもいます。
今日はベトナムからのお客さんもいました。

みんな微生物が造る日本酒の世界を楽しんでいます。
興味をもたれた方は、遠慮なく途中参加をお勧めしますよ。
次回は12月7日。
少し間は空きますが、いよいよ「しぼり」です。


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by sakenihon | 2008-10-28 21:47 | 日本酒の作り方  

日本酒 酒造り体験講座 第二回報告

26日(日曜日)茨城の木内酒造さんの酒造り体験講座2008の第二回目に行ってきました。
生憎時々小雨まじりのお天気でしたが、どしゃぶりにならず支障なしでした。

日本酒 酒造り体験講座 第二回報告_f0193752_2305999.jpg
先週は蒸したお米に麹菌をふりかけ、それに何重にも布で巻いてまるでお米のミイラのような状態にしたまででした。


日本酒 酒造り体験講座 第二回報告_f0193752_2328016.jpg
そのお米は一週間後こうなりました。
お米に振りかけた麹菌がお米の周り全体の繁殖してお米を包み込むようになっています。
素人仕事の為か、多少バラツキはあるようです。
どんなお酒ができるのかなあ?
とにかくこれで先週仕込んだ72kgのお米すべてが麹米になりました。


これから、72kgの麹米と蒸米、水を次々に追加投入しながら次第にお米になる量を増やしてゆくのです。以下の初添え・仲添え・留添えを『三段仕込み』といいます。
この特殊で手間の掛る方法によって、日本酒は世界最高のアルコール度数を持つお酒になってゆきます。

                (麹米)    (蒸米)    (水)
  酒母(しゅぼ)      12kg           42L
  初添え(はつぞえ)    20kg    40kg   70L
  仲添え(なかぞえ)    20kg    80kg   140L
  留添え(とめぞえ)    20kg   140kg   210L
  合計           72kg   260kg   462L
 この材料から686Lのお酒ができる予定です。(4合瓶952本分)

日本酒 酒造り体験講座 第二回報告_f0193752_013127.jpg
この一週間の間に『酒母』と呼ばれる、お酒の元を蔵人さんが造ってくれ、この大きなタンクの中に入れてありました。
これから、このタンクの中に次々に三段仕込みで材料を投入してゆきます。


日本酒 酒造り体験講座 第二回報告_f0193752_0231292.jpg
タンクの真上、投入口の前に神棚が!
思わずみんな手を合わせました。
「おいしいお酒ができますように~~~~」


今日はこれから『初添え』を行います。

日本酒 酒造り体験講座 第二回報告_f0193752_0272663.jpgまずは冷水を70L。 バケツで何度かに分けて投入します。
20kgの米麹も一緒に。


日本酒 酒造り体験講座 第二回報告_f0193752_032147.jpg
タンクの中には酒母、麹米、水が入っています。
この後に蒸米を投入しますが、投入後の全体温度が9℃~10℃になるように、蒸米の投入温度を計算します。
蒸した熱いお米をその温度になるまで手で冷やします。
これがけっこう大変でした。


日本酒 酒造り体験講座 第二回報告_f0193752_0394685.jpg
適温まで冷めた蒸米を丁寧に投入してゆきます。


日本酒 酒造り体験講座 第二回報告_f0193752_04214.jpg
材料を投入したら櫂棒(かいぼう)でゆっくり混ぜ合わします。


日本酒 酒造り体験講座 第二回報告_f0193752_0444538.jpg
タンクには温度計も付いています。
これから発酵に力で自然に温度が上がってきますから、上がりすぎないよう調整を続けなければいけません。
大吟醸酒は低温を維持して発酵を抑えながら、じっくり時間を掛けてお酒になります。


お酒造りには常に温度調整がついて回ります。
現在はいろいろな温度計で正確に簡単に測定できますが、昔はすべて杜氏さんの感覚で測っていたんですね。職人芸です。

明日以降数日間で仲添え、留添えと続いて行われたあとは微生物の活動が適度に進むように管理しながらあ酒ができるのを待つことになります。
出来上がりは酒造り体験講座第三回開催予定の12月7日
この日に『上槽』、つまり絞りの作業です。
この時にできたてのホヤホヤのお酒が味わえる予定です。

美味しいお酒ができますように!!
酒の神様、お願いします。
合掌。

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by sakenihon | 2008-10-28 01:10 | 日本酒の作り方  

日本酒 酒造り体験講座 第一回報告

遅くなってしまいましたが、19日に茨城の木内酒造さんで参加してきました、2008年日本酒造り体験講座のご報告です。
今回が搾りまでの全4回の第1回目となり、洗米から蒸し、そして米麹造りまでの工程を体験してきました。
いくら本を読んでもわからない疑問が1日のちょっとした体験でも随分理解できました。
やはり『百聞は一見にしかず』ですねえ。

写真と共に一連の流れを少し細かくご報告しますので、お付き合いください。

日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_23334388.jpg
まずはスタートにあたって、木内酒造の木内社長さんからの挨拶。
やはり事故米などの問題に腐心されておられるようです。ブランド価値の構築が益々大切だとのごあいさつでした。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_23351617.jpg
さあ、いよいよここで作業開始です。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_23181253.jpg
ふと、真上を見上げると巨大な梁。
その上に墨で書かれた文字で平成四年九月の新蔵であることがわかります。
大工さんと施主(蔵元)の名前も。
これからここでいったい何年の歴史が刻まれるのでしょうか・・・・・



さあ、いよいよスタートです。
日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_23472569.jpg
今回の酒造りの計画がホワイトボードに書かれています。
精米歩合50%の大吟醸酒を造る計画です。
ポイントはお米に計画通りの量の水分を吸収させること。
多くても、少なくても、ムラがあっても駄目なんですね。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_0243.jpg
10月5日にみんなで稲刈りした『ひたち錦』が精米歩合50%まで磨かれていました。
水晶のように輝いています。
このままで噛んだら、甘いかな? いえいえ、バリバリ噛んで、いくら噛んでも甘みはでませんでしたよ。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_23553711.jpg
まずはそのお米を小さなザルに分けて準備します。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_09946.jpg
それぞれのザルのお米が均等量になるよう正確に計量します。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_0145122.jpg
次にザルごとにお米を洗います。
精米後にお米の表面にわずかに残った米ぬかを洗い流すための『洗米』工程です。
洗米時間も秒単位で測ります。
今日は30秒でした。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_0224137.jpg続いて『浸漬』の工程。本格的にお米に水を吸わせる工程です。
今日の水温は18℃。かなり暖かい状況です。
水温が暖かいほどお米が水を吸うスピードは速くなります。
したがって作業があわただしくなり、大量に処理すると間に合わなくなります。
その為もあって、酒造りは水温の低い冬に行うのだそうです。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_029131.jpg
規定の時間を測りながら、水に漬けた順にザルを水から引き揚げて、水を切ります。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_0315690.jpg
『浸漬』の後、水が切れた状態のお米です。
『洗米』前に比べて水晶色が真っ白に変わり、指で押さえると表面が簡単に潰れるくらいにやわらかくなりました。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_038479.jpg
すべてのお米の水が切れたら、いよいよお米を蒸すための甑(こしき)に移します。
甑は巨大な円形の「せいろ」です。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_0425293.jpg
隅々まで丁寧に表面を平らにならします。
お米のいい香りがします。
炊飯と違ってお米が対流しませんので、隅に隙間があると蒸気が漏れて蒸しむらができるそうです。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_0462018.jpg
準備が終わると、幾重にも布(化学繊維)で蓋をして、ロープでしっかり固定します。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_0502324.jpg
そして、『蒸し』です。
甑の下からボイラーで作った蒸気が吹き込まれます。
それによってかぶせられた布の蓋は丸く膨れ上がってきました。
約1時間で蒸しあがり。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_0531736.jpgお米を蒸している間に精米機を見せてもらいました。
日本酒用の『竪型精米機』です。
上から下へお米が落下する途中でプロペラのようなものが回転してお米が削られます。
落ちたお米はまた上部へ運ばれ、また落とされるという繰り返しが数十時間も続けられます。
お米の温度が上がったり、割れたりしないようにじっくり時間をかける徹夜の作業です。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_161423.jpg木内酒造さんではワイン造りにも挑戦中。そのためのブドウ畑や水戸市内で経営されている飲食店「な嘉屋」で使われる無農薬野菜が酒蔵の裏で栽培されています。

日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_1144260.jpg酒造りで出た酒粕を肥料に利用しているそうです。
そのため、周辺の農薬を使った畑から害虫が集まってきて駆除が大変だそうです。
やはり、「無農薬」って容易にできるものではないのですね。
それらも、蔵びとさん達が酒造りと並行して行っています。


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お米が蒸しあがりました。
昔は蔵人が甑の中に入ってスコップで掘り出していましたが、今は文明の利器(リフト)で釣り上げて、お米を適温に冷ますための放冷機へ移動します。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_1295742.jpg
写真の手前からお米を投入すると、コンベアに乗って少量づつ奥の方の送られます。
その間に送風によってお米が冷まされる仕組みです。
小規模なお蔵では現在でも昔と変わらず、床にお米を広げて冷ましているところもあります。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_1343749.jpg
放冷機から出てきたお米は、適温に冷めていることを温度計で確認しながら、それ以上冷めないように小分けにされて布に包まれます。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_1371296.jpg
放冷機の中のお米は一粒も残さないよう最後まで集められます。
お米を無駄にするともったいないことはもちろんですが、計画量が狂ってしまい思ったようなお酒ができなくなります。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_1414780.jpg
蒸しあがり、適度に冷めた状態のお米です。
炊いたお米とは全く違い、水分が少なくパラパラ・コロコロとした感触です。
食べると硬めのお餅のようでモチモチしています。
噛んでもなかなか口の中で溶けずガム状になります。
強烈な甘みがドンドン湧いてきます。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_1514927.jpg
いよいよ米麹をつくる工程です。
室温30度以上、湿度50%以上に設定された麹室(こうじむろ)と呼ばれる部屋での作業です。
当然、手は十分に殺菌洗浄、靴は脱いで入ります。
まずは大きな台(床)にお米を5cmほどの高さに均等に広げ、もう一度冷ましながらお米の温度を測ります。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_1544423.jpg
お米の温度が適温になったところで、麹菌を万遍なく振りかけてゆきます。
日本酒造りに使われるのは「黄麹菌」というものです。
お米一粒一粒にくまなく菌が付くように、お米をひっくり返したり混ぜたりしながら何度も菌をま撒きます。


日本酒 酒造り体験講座 第一回報告_f0193752_244660.jpg
麹菌を撒き終るとお米を床の中央に集めて蒲鉾状に盛り上げます。
できるだけ温度ムラができないようにするためです。


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そのお米に幾重にも幾重にも布をかぶせ、包みこみます。


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これで本日の工程が終了です。
明日まで丸1日麹菌がお米に繁殖するのを待ちます。
自然に50度ぐらいにまでの高温になるそうです。


翌日以降は温度管理がし易いように小型の箱に小分けにし、お米への麹菌の破精込み(はぜこみ)を促進する仕事となります。「破精込み」とは、麹菌がお米に繁殖してお米の内部まで菌糸を伸ばす状態のことをいいます。その過程が終わると米麹の完成で、酒母造り(もと造り)、仕込みへと続いてゆきます。
それは杜氏さんの職人技の世界になりますので、お任せすることになります。

次回の体験講座はこの1週間後の26日。
もろみの発酵具合を確認し、「添え」という仕込みの中の工程を体験します。

私は初めての参加でしたが、徐々に参加者のみなさんとも仲良くなってきました。
次回また会えるのが楽しみになってきました。

本当に『百聞は一見にしかず』です。

杜氏さん、蔵びとさん 皆様本当にお世話になりました。感謝です。
また、次回もよろしくお願いします。

by sakenihon | 2008-10-24 02:40 | 日本酒の作り方